Frederica Bernkastel's diary

「退屈」は私を殺す毒

叱咤激励

彼女は嘆いた。あれだけ願ったというのに。

彼女は泣いた。あれだけ夢を描いていたのに。

彼女は怒った。変えられなかった現状に。

 

私は彼女に怒った。

 

仮にも「奇跡の魔女」を名乗るならば、どんな絶望的な状況でも決して嘆くな、泣くな、諦めるな。怒るなら、納得するまで運命の賽を蹴り飛ばせ。たったそれだけのことができなければ、私の名前を使う資格などないのだ。

 

彼女は微笑み再び邁進する。彼女は私であり、私は彼女でもあるのだ。

 

 

Frederica Bernkastel

与奪

神は彼女に、生を与えた。

神は彼女に、美しい人間の姿を与えた。

神は彼女に、幸せな家族を与えた。

神は彼女に、多くの知識を与えた。

神は彼女に、富を与えた。

神は彼女に、全てを与えた。

 

やがて、

 

神は彼女から、健康を奪った。

神は彼女から、身内を一人ずつ奪った。

神は彼女から、安息を奪った。

神は彼女から、限られた時間を奪い続ける。

神は彼女から、「希望」を奪い「絶望」を与えるだろう。

神は彼女から、「全て」を奪い「無」に帰すだろう。

 

それでも彼女は、笑っている。

そして彼女は、己の終焉が来るまでずっと笑い続けるだろう。

 

 

Frederica Bernkastel

 

ある者は私を冷血動物だと言う。

ある者は私を猫のようだと言う。

ある者は私を人間だと言う。

ある者は私を女神だと言う。

ある者は私を魔女だと言う。

ある者は私を菩薩だと言う。

ある者は私を鬼だと言う。

ある者は私を狐だと言う。

 

私は私。それ以上でもそれ以下でもない。ましてや、それ以外でもない。

 

Frederica Bernkastel